ビタミン欠乏症

  • ウェルニッケ・コルサコフ症候群
    アルコール依存症者に発症する中枢神経疾患で、原因はビタミンB1の欠乏です。急性期がウェルニッケ脳症で、慢性期(後遺症)をコルサコフ症候群(アルコール性認知症、急性期からの移行率約80%)と呼んでいます。ウェルニッケ脳症の症状は意識障害と歩行障害(小脳失調歩行)、眼症状(眼振)ですが、慢性期のコルサコフ症候群になると、病気になる前の記憶が失われたり(逆行性健忘)、新しいことを覚えることができなくなったりします(前向性健忘)。更に重症になると、脳萎縮が顕著に認められ、認知症の症状が出ます。治療としては、経口ビタミンB群(ビタミンB2、 B6、B12、葉酸)投与と、断酒や食事療法・リハビリに加え、生活スタイルの改善を図ることによって認知症の進行を抑えます。中には数年をかけて症状が改善する場合もありますが、治ることはありません。
  • ビタミンB12欠乏症
    ビタミンB12の欠乏が重度になると神経障害が現れ、記憶障害、集中力の低下、妄想、錯乱などの症状が出ます。原因としては、摂取不足や吸収不良、または貯蔵不足です。治療は、経口または非経口によるビタミンB12投与を行いますが、重度になると改善されない場合があります。欠乏によって血中のホモシステイン値が上昇することで、神経伝達物質の代謝に必要とされる物質の値が低下することが、認知症を引き起こす要因だと考えられていますが、確かなことは分かっていません。