脳血管性認知症

  • 脳血管性認知症は、アルツハイマー型認知症に次いで発症する方が多く、女性よりも男性の発症が多いとされている認知症です。脳の血管障害によって起こり、多発性脳梗塞などで、小さな脳梗塞が何度も起きている場合、脳梗塞が起きる度に症状が悪化していくなど、一進一退を繰り返しながら進行します。また、障害を起こした脳の場所によって、起きる症状が変わってきます。

発症原因

  • 脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などによる脳の血管障害によって、血管が詰まったり出血したりすることで、脳の細胞に酸素が送られなくなるため、その部分の神経細胞が壊死してしまい認知症が起こります。脳卒中の発症から3ヵ月以内の人の内、20~30%が認知症とするデータがあります。

血管障害を引き起こす危険因子

  • 高血圧、糖尿病、高コレステロール、喫煙、肥満、高ホモシステイン値(※1)、アテローム性動脈硬化(※2)、細動脈硬化、心房細動などが危険因子になります。

    (※1)ホモシステイン ・・・ ホモシステインとは、タンパク質の代謝過程でできるアミノ酸の一種です。血液中に堆積すると動脈硬化を引き起こします。
    (※2)アテローム性動脈硬化 ・・・ 高血圧や高血糖などによって、血管内膜が障害され、その隙間から血管内膜の下に入り込んだコレステロールが白血球の一種であるマクロファージに捕食され、その死骸が溜まりアテローム状(粥状の塊)になった状態です。

症状による分類

  • 急性発症の血管性認知症・・・血管障害が連続したあとに急速に進行する場合。
  • 多発梗塞性認知症・・・何回か小さな梗塞が積み重なって、少しずつ症状が現れる場合。
  • 皮質下血管性認知症・・・高血圧で、大脳深部白質の血流が乏しくなることで起こる場合。
  • 皮質および皮質下混合性血管性認知症・・・脳の表面にある皮質と、さらに奥の部分の両方が障害されて起こる場合。

脳血管性認知症の特徴

  • まだら認知症になりやすい。・・・脳出血などによって障害された脳の部位によって症状が異なるため、例えば記憶障害があったとしても、他の能力が保たれていることが多く、まだら状の能力低下が見られます。
  • 早期から周辺症状が見られます。・・・歩行障害、手足麻痺、呂律が回らない・転びやすい、排尿障害、感情失禁(※1)、抑うつ、夜間せん妄など、周辺症状が早期から見られます。(※1)感情失禁 ・・・ 感情がコントロールできず、何気ないことで泣いたり、怒ったりすること。
  • 症状が突然出現したり、階段状に悪化したり、緩やかに悪化したりするなど、進行の状況が人それぞれです。

混合型認知症

  • 以前は脳血管性認知症とアルツハイマー病は対極にあるとされていましたが、最近では脳血管性認知症とアルツハイマー病を併せ持つ方が増えてきています。

↑ page top