理解・判断力の障害の症状と対応・ケア

認知症の中核症状に、理解・判断力の障害があります。

  • 理解・判断力の障害は、認知症の中核症状の一つです。健康な方であっても、60歳くらいから加齢によって低下はしますが、障害が現れると、日常生活に支障をきたすようになります。

理解・判断力の障害の症状

  • 考えるスピードが遅くなり、二つ以上のことが重なると混乱して考えることができなくなります。・・・時間をかければ自分なりの結論に至ることができますが、一度に処理できる情報の量が減るので、二つ以上のことが重なると、頭の中が混乱して考えられなくなります。
  • 環境の変化など、いつもと違うできごとで混乱しやすくなります。・・・入院や引っ越し、配偶者が亡くなってしまうなど、環境の変化やいつもと違う出来事に対応できず、混乱してしまうことがあります。
  • 現実的な判断ができなくなります。・・・内容を理解できないまま契約を結んだり、保証人になったり、高価な商品を買ってしまったり、多額のお金を引き出したりするなど、現実的な判断ができなくなります。
  • あいまいな表現や、物の違い・共通点がわかりにくくなります。・・・人参と大根で例えると、普通は種類が違う野菜であると分かりますが、種類が違うことも野菜だという共通点も見つけられなくなってしまいます。「カレーに使うほうを取って」などとあいまいな表現で言われても、どちらを渡せばいいのかや、何を渡せばいいのかを理解することができません。
  • 良いか悪いかの判断が出来なくなります。・・・自分がしようとする事が、良いか悪いかわからなくなります。服のコーディネートであったり、料理のやり方など、日常生活の些細なことでも判断できなくなります。万引きであったり、急に道路へ飛び出したり、時には高速道路を逆走するなどのケースが見られます。

日時の認識障害への対応とケア

  • 認識に間違いがあっても、否定や訂正はせずに、できるだけ本人に自覚してもらえるような環境を整えて下さい。
  • 見やすい場所に、大きな日めくりカレンダーと時計を置くなどして、認識しやすい環境を整えてみて下さい。
  • 今日は「何日?何曜日?今何時?」などの質問を、自然と会話に盛り込むようにしてみて下さい。
  • 「お昼の時間だ」「もう寝る時間だ」などと、声掛けをしてみて下さい。
  • 午前中にできるだけ一緒に散歩をして日光を浴び、適度な運動で体を疲れさせ、昼夜の区別がつくようにしてみて下さい。
  • 季節感に合わせた服のコーディネイトができなくなる場合は、例えば、夏場に服を着込んでしまうと、脱水症状や熱中症などの原因となるため、声掛けをしたり、冬服などをしまうなどの対応をしてみて下さい。

理解・判断力の障害への対応とケア

  • 理解に障害が現れると、考えることに非常に時間が掛かかるようになりますが、できるだけ本人の残った機能を活かすためにも、忍耐強く返答を待つように接し、考えに対する否定や、本人向かって怒ることなどはしないで下さい。また、あいまいな表現がわからなくなることがあるので、「それやあれを取って」という表現ではなく、「リモコンを取って」というように、具体的に伝えてあげて下さい。そして、判断力に障害が現れると、善悪の判断がつかなくなりますので、一人での外出は迷子、万引きや詐欺などの犯罪、交通事故に巻き込まれてしまう可能性があります。なるべく一人で外出しないように配慮して下さい。

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