トレーニングメニュー

あり、認知症や脳機能についての説明を織り込みながらトレーニングを行ないます。
脳力の維持・改善を期待するためには、少し難しいと感じる程度(いずれはやっていけばできる程度)のトレーニングを行うことが大切ですので、内容と難易度につきましては実際にモニタリングを行って調整しています。
※ 呼称及び表現方法につきましては、協会独自のものがあります。
※ モニタリング時の評価方法につきましては、協会基準での評価になります。(対象者57~93歳)
※ トレーニングの詳細につきましては、初級資格検定で体験していただくプログラムになっています。
※ 活性化部位の表記につきましては、脳は様々な部位がネットワークしながら活動しているため、トレーニングによって主に活動する部位のみを記載しています。

① 脳力把握 編  活性化部位 < 前頭連合野・頭頂連合野 >

  • 脳力把握編では現状の作業記憶(ワーキングメモリ)がどの程度のレベルに位置しているかを把握します。現状を把握することで、予防の必要性やトレーニングへの取り組みに対して意識変化のきっかけになります。

② 脳の準備体操 編  活性化部位 < 前頭連合野・大脳辺縁系・広域運動野・言語野・小脳 >

  • 脳の準備体操編では、座りながらできる体操で脳を動きやすくします。
  • ストレッチ、体感、腹式呼吸、笑顔体操、耳の体操、目の体操、舌の体操、指の体操、リズム体操、言葉の体操、脳活ラジオ体操の11項目を行います。

③ 時間評価力 編  活性化部位 < 前頭連合野・視交叉上核・大脳基底核・小脳 >

  • 時間評価力とは、現在と過去の時間を意識的に把握して、時間感覚を調整する力のことです。
  • 認知症になると、初期の段階で中核症状として見当識(現在の年月や時刻を把握することなど)に障害が現れることがあります。障害が現れると、時刻が把握できなくなり昼夜が逆転してしまったり、高齢化で眠りが浅くなるうえに体内時計の調整が上手くいかなくなると、不眠や睡眠障害などの周辺症状が見られるようになります。体内時計(約25時間)というのは、同調因子(明暗の刺激・食事など外界のさまざまな事象の時間的変化)を手がかりとして、概日リズム(約24時間)に調節しています。主に視床下部にある視交叉上核という部位が役割を担っています。

④ 感情力 編  活性化部位 < 前頭連合野・大脳辺縁系・言語野 >

  • 感情力とは、感情の起伏をコントロールして安定させる力のことです。
  • 認知症になると、感情の起伏が激しくなる症状が現れることがあります。症状が現れると、ネガティブな感情が優先してしまったり、頑固になったり、怒りっぽくなったり、人格が変わったり、不安・焦燥・抑うつなどの精神症状が見られるようになります。特に怒りっぽくなると暴言・暴力というケースに繋がってしまうこともあります。またアルツハイマー型は、この症状が記憶障害よりも数年早く起こるとも言われています。ネガティブな感情は、血圧を高めたり心拍数を増加させ、この状態が続くと生体に悪影響をもたらして、心身症などの疾病に至ることがあります。その反面、ポジティブな感情はネガティブな感情を元に戻し、ナチュラルキラー細胞の増加をもたらして免疫力を高めます。ガン再発のリスクや、認知症の発症率が減少するという報告がされています。

⑤ 嗅覚力 編  活性化部位< 臭覚野・大脳辺縁系 >

  • 嗅覚力とは、臭いを嗅ぎわける力のことです。
  • 個人差はありますが、高齢化と共に嗅覚が衰えていきます。嗅覚が衰えると、ガス漏れや火事などの危険認識が遅れたり、食べ物の風味が認識出来ずに食中毒になるなどの危険性が増えてしまいます。また、香りによってはリラックス効果のあるものもあり、認知症の予防になりえる可能性があると報告されています。

⑥ 味覚力 編  活性化部位< 味覚野・大脳辺縁系 >

  • 味覚力とは、味を敏感に知覚する力のことです。
  • 個人差はありますが、高齢化と共に味覚が衰えていきます。味覚が衰えると、味覚の違和感や味覚障害が起きるため、塩分や砂糖類の多い食事を好むようになり、糖尿病や高血圧などになると、脳血管性認知症の原因になる可能性が高まります。味覚は、舌の表面や口腔内の粘膜にある味蕾(みらい)という部分で感知して大脳まで信号が送られます。高齢者の味蕾の数を新生児と比較すると、半分から3分の1程度になるとも言われていて、年齢と共に味蕾は減少する傾向にあります。ですから、味覚の違和感や味覚障害は生理現象であるとも言えますが、口に入れた食べ物の味を、しっかりと意識しているかいないかでも大きく味覚が左右されるので、普段の食事からしっかりと意識することが求められます。

⑦ 聴覚力 編  活性化部位< 聴覚野・大脳辺縁系 >

  • 聴覚力とは、音を聴きき分ける力のことです。
  • 個人差はありますが、高齢化と共に聴覚機能が衰えていきます。聴覚が衰えると、老人性難聴などのリスクが高まります。医学的には、外部の音声情報を大脳に送るための部位(外耳、中耳、内耳、聴神経)のいずれかに障害が起こる為、聞こえにくい、あるいは聞こえなくなっている状態になってしまいます。老人性難聴の症状の特徴としては、高い音(高周波数域)が聞こえなくなったり、リクルートメント現象(小さい音が聞こえず、大きい音はうるさく感じる)、周波数分解能の低下(細かい音の高さや微妙な言葉の違いが聞き分け難い)、時間分解能の低下(早口が聞き分けられない)などがあげられます。意識して聴覚機能を働かせることを持続していかないと、聴覚に関連する部位が思っている以上に衰えてしまいます。

⑧ 聴想力(理解力) 編   活性化部位 < 前頭連合野・頭頂連合野・側頭連合野 >

  • 聴想力とは、会話などを音声としてだけではなく、併せて頭の中でイメージ記憶(音声情報に合った映像を想起して記憶すること)して、しっかりと理解する力のことです。
  • 認知症になると、中核症状で理解力に障害が現れることがあります。障害が現れると、考えるスピードが遅くなり、人との会話や文章が理解できなくなったりする為、無口になってしまったり、苛立ってしまったり、訪問販売などで訳も分からずに購入してしまうなどのトラブルに巻き込まれてしまうなどのケースが見られます。

⑨ 表現力 編  活性化部位 < 前頭連合野・大脳辺縁系・言語野 >

  • 表現力とは、自己の思想を言葉や文章で相手に正確に伝える力です。
  • 認知症になると、失語と言って言語機能に障害が現れることがあります。障害が現れると、物の名前や言葉が思い出せなくなったり、自分の気持ちをうまく言えなかったり、読み書きが難しくなります。

⑩ 遂行力 編  活性化部位 < 前頭連合野 >

  • 遂行力とは、ものごとを計画し、順序だてて実行する機能のことです。(例)仕事や家事の段取り、料理など
  • 認知症になると、実行機能(遂行力)に障害が現れることがあります。障害が現れると、自分で計画が立てられず指示がないと何もできなかったり、効率良く作業ができなくなったり、何回も同じミスをしたりするなどのケースが見られます。

⑪ 空間認識力 編  活性化部位 < 頭頂連合野・海馬 >

  • 空間認識力とは物体の位置・方向・姿勢・大きさ・形状・間隔など、物体が三次元空間に占めている状態や関係を、すばやく正確に把握、認識する力のことです。
  • 認知症になると、空間認識力に障害が現れることがあります。障害が現れると、コップを取ろうとしてこぼしてしまったり、体をぶつけるようになってしまったり、迷子や車での接触事故を起してしまうなどのケースが見られます。

⑫ 判断力 編   活性化部位 < 前頭連合野 >

  • 判断力とは、過去の知識や経験を基に物事の真偽・善悪などを見極め、それについて自分の考えを定める力のことです。
  • 認知症になると、中核症状として判断力に障害が現れることがあります。障害が現れると、自分の行動の良し悪しが分からなくなり、服装がおかしくなってしまったり、食べられない物を食べようとしてみたり、商品購入でのトラブルや振り込め詐欺、万引きなど社会的問題に発展してしまうなどのケースが見られます。

⑬ 反応力 編   活性化部位 < 前頭連合野・広域運動野・視覚野・聴覚野・小脳 >

  • 反応力とは、突然外部から入ってきた情報に対して、正確に俊敏に反応する力のことです。
  • 認知症になると、反応力に障害が現れることがあります。障害が現れると、突然起こる事柄に対して困惑してしまい、反応できなくなることがあります。転倒事故や交通事故などに遭ってしまうなどのケースが見られます。

⑭ 注意力 編   活性化部位 < 前頭連合野・視覚野・聴覚野 >

  • 注意力とは、ある一つの事柄に意識を集中し、持続させる力のことです。
  • 認知症になると、注意力に障害が現れることがあります。障害が現れると、気が散りやすくなり長時間一つのことに集中できなくなってしまったり、ぼんやりしていてミスをしてしまったり、言われていることに興味を示さなくなるなどの症状が見られます。

⑮ 観察力 編  活性化部位 < 前頭連合野・頭頂連合野・視覚野・聴覚野 >

  • 観察力とは、物事などの変化を捉える力のことです。
  • 認知症になると、観察力に障害が現れることがあります。障害が現れると、物事などの変化に気が付くことが難しくなり、例えば表情や口調から感じる相手の感情の変化であったり、雨が降り出したことやエアコンが勝手に切れたこと、入浴時のお湯の温度が変わったことに気が付かないなどのケースが見られます。

⑯ 抽象能力 編  活性化部位 < 前頭連合野 >

  • 抽象能力とは、物の共通点や違いを捉える力のことです。
  • 認知症になると、抽象能力に障害が現れることがあります。障害が現れると、あいまいな表現で言われたことに対して理解することができなくなります。例えば、お茶の時間にお漬物とお饅頭があったとします。体が疲れているようだから甘いものでも食べてと言われたとすると、甘いものがどちらなのか「違い」が分かりません。またどれが食べ物なのか「共通点」も分からないかもしれません。

⑰ 計算力 編  活性化部位 < 頭頂連合野 >

  • 計算力とは、計算する速度と高い正解率を導き出す力のことです。
  • 認知症になると、計算力に障害が現れることがあります。障害が現れると、簡単な計算でも時間が掛かってしまったり、買い物の時などに所持しているお金で買えるものの判断や、お釣りの計算が出来なくなるなどのケースが見られます。

⑱ 記憶力 編  活性化部位 < 前頭連合野・大脳辺縁系 >

  • 記憶力というのは記銘力(覚える力)、保持力(忘れない力)、想起力(思い出す力)の総称です。
  • 認知症になると、中核症状として記憶障害が現れることがあります。症状が現れると、認知症の種類と進行状況によって、過去に経験したことが思い出せなくなったり、新しい経験や情報を覚えられなくなります。アルツハイマー型は、最近の記憶から忘れてしまうという特徴があります。